足首の捻挫

今回は足首の捻挫について説明します。

足首の捻挫とは?

みなさんも一度は経験しているかもしれませんが、足首の捻挫はスポーツで起こることが多いです。僕も今朝ランニング中にガタガタした道で軽い捻挫をしました。足を地面に着地した際に足首を内側に捻ってしまう内反(ないはん)捻挫と呼ばれる捻挫が多いです。

右の写真のように足首を内側に捻ることを内反(ないはん)捻挫といいます

「捻挫しましたー」といった選手をフィールドや診察室で選手を診察すると、靭帯(じんたい)を損傷していることがよくあります。エコーを使えばその場でわかっちゃいます。前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)と呼ばれる靭帯の損傷が最も多いです。踵腓靭帯(しょうひじんたい)の損傷を合併することもあります。

正常の前距腓靭帯のエコー画像
白い線が平行に並んで束になっているのが靭帯(黄矢印)です。
断裂した前距腓靭帯のエコー画像
白い線の束(黄矢印)が途中で途絶(白矢印)してます。

高校時代の僕のように初めて捻挫をした時にきちんと治療を行っていないと、いわゆる捻挫癖がついてしまいます。ちょっとしたことで捻挫をして、それを繰り返すようになってしまいます。僕はランニングが好きなのですが、月に1回は捻挫してランニングを休みます。このような状態を足関節不安定症(そくかんせつふあんていしょう)と言います。エコーで見ると靭帯が擦り切れてしまって薄くなっています。

捻挫した直後にやることですが、まずは歩けるかどうかが大事な目安となります。今朝の僕のようにすぐ歩ける場合はいいのですが、もし足に体重を乗せて歩行することができないような場合は、骨折したり靭帯がひどく傷んでいる可能性があります。後日また説明する「PRICE=痛めた足首を保護して安静にして冷やして圧迫して挙げる」という処置を行って、病院への受診をお勧めします。

初めての捻挫での場合は、病院で靭帯をしっかり評価してもらって、靭帯が痛んでいれば、しっかりと靭帯が治るまでの期間をとるべきです。僕は「捻挫だからたいしたことないや」って思って、足を引きずりながら練習をつづけて、足関節不安定症になってしまいました。軟骨がすり減ってしまう変形性足関節症(へんけいせいそくかんせつしょう)にもなってます。ただし試合などが控えていると治るまでの期間がとれないこともあるので、どれくらい治療期間をとるかは担当した先生との相談になりますね。

僕のように慢性的に捻挫を繰り返している場合は、必ずしも受診する必要はありません。ただし、痛みや腫れが1週間以上続いたりする時や、僕のように捻挫しそうな感じでガタガタ道が走れないといった場合は、病院を受診してしっかり治療することをお勧めします。

治療

治療についてですが、初めての捻挫でも繰り返す捻挫でも、すぐに手術になることはまずありません。リハビリがまず主な治療となります。(ハイレベルなアスリートに関してはすぐに手術をした方がよいというような研究結果もありますが。)

初めての捻挫の場合は、まず足首を固定することが多いです。ギプスやシーネ(取り外しができるギプスみたいなもの)で固定して、傷んだ靭帯に負担がかからないようにします。目安は1週間か長くて2週間です。(この固定期間もどの靭帯がどの程度傷んでいるか、他に傷んでいる場所はないかによります。軟骨が痛んでいたりすると固定期間も長引きます。)傷んだ靭帯がしっかり治るには3週間程度かかります。

リハビリ

固定が外れたら本格的にリハビリが始まります。まず足首を上に動かすようなストレッチ(可動域訓練と呼びます)を行います。

下腿三頭筋(その中でも腓腹筋)のストレッチ
つま先にバンドやタオルを引っ掛け体幹側の方へ引く。
膝を伸ばしたまま、腓腹筋(赤三角)を意識してストレッチする。

足首周りの筋力を鍛えたり(特に腓骨筋(ひこつきん)という筋肉を鍛えます)、お尻周りの筋力を鍛えます。

腓骨筋のトレーニング(目安は10回x3セット)
チューブを小趾にひっかけて、チューブからの抵抗に逆らいながら赤矢印の方向へ足関節を動かします。下腿の外側の筋肉(腓骨筋)を意識します。
臀筋(お尻の筋肉)トレーニング(目安は10回x3セット)
両側の足首にチューブをひっかけて、トレーニングする側の脚をやや後ろに引きながら、外側に開いていきます(赤矢印)。お尻の外側の筋肉を意識します。

またバランス訓練(片足だけでバランスよく姿勢を保持できる練習)も行います。

バランストレーニング(目安は30秒を3セット)
丸めたタオルの上にトレーニングする足で片足立ちをします。反対側の足を円を描くように動かします。

足首の動きがよくなって、体幹やお尻の筋力も強化できたらジョギングから再開して、走るスピードを徐々に上げていきます。

次の段階ではそれぞれの競技に合わせた動作で足首が大丈夫かどうかを確認します。バスケットボールならば、レイアップシュートからの着地などといった動作をチェックします。サッカーならヘディングからの着地で大丈夫かをチェックします。ラグビーならばステップで大丈夫かを確認します。「軽い」から「中くらい」の靱帯損傷であれば、だいたい3〜6週間程度で復帰が可能になります。

予防

最後に予防です。ウォーミングアップ、クールダウンで、足首周りのストレッチや、体幹やお尻周りの筋力を鍛えること、さらにはバランス訓練を取り入れて継続することが予防となります(上の図を参考にしてくださいね!)。

予防としてテーピングや装具(サポーター)を装着する場合もありますが、それぞれ一長一短があります。テーピングの場合は巻く技術が必要であることや、テーピングを購入するためのお金がかることが短所としてあげられます。装具(サポーター)に関しては自由に取り外しができるため良い点がありますが、シューズに合わないことがあればパフォーマンスに影響します。

ちなみにテーピングや装具(サポーター)をいつまで行うかについては明確な基準はありません。初めての捻挫の場合は、治療がうまくいって靭帯がしっかり治ったとするならば、復帰して約1ヵ月程度経過した時点で外しても大丈夫だと思います。ただし予防のために着用し続けてもよいと思います。捻挫を繰り返して靭帯が緩んでしまっている場合は、やはり予防のために装具(サポーター)を続けることをお勧めします。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。