腓骨筋腱の痛み

どうして痛くなるのか?

捻挫をして時間が経ったのになかなか痛みがとれない。。。というのがよく耳にする訴えです。
捻挫を繰り返している人の77%/に腓骨筋腱に炎症が起こって、その22%に腓骨筋腱の損傷が起こると言われています。
捻挫の繰り返しで緩んでしまった靭帯(じんたい)を補う形ではたらくのが腓骨筋腱です。なのではたらきすぎで痛めるという説があります。
また腓骨筋腱を支える組織(支帯といいます)が繰り返す捻挫によって弱くなってしまい、腱が脱臼しかかってしまい(亜脱臼といいます)痛めてしまうとも言われています。


捻挫と思ったら実は腓骨筋腱が脱臼してた!というのもよくある痛め方です。

痛めやすい人は?痛めているサイン?

どんな人が痛めやすいのでしょうか?
まずアーチが高い人です。土踏まずのところが異常に大きい人で偏平足の反対ですね。小趾側に体重がかかりやすいので、腓骨筋腱への負担が大きくなります。
普通の人とは違って腓骨筋腱がたくさんあったり(普通は3つですが、4つや5つある人もいます)、腓骨筋の筋肉が位置が普通じゃなかったりすると、やはり痛めやすいです。ただ外見では分かりづらいですね。


小趾(しょうし=足のこゆびです)側に足をひねってみて外くるぶしの後ろに痛みがでる人や、母趾(ぼし=足のおやゆびです)で踏ん張った時に、やはり外くるぶしの後ろに痛みが走る人は、痛めている可能性がありますね
足首をぐるぐる回したときに、外くるぶしの表面にポコッとでてくるものがあればそれは腓骨筋腱が脱臼している可能性があります。

エコーでみると、割けるチーズのように腓骨筋が二つに割れていることがあります。

治療は?

痛めた直後は安静にしたり固定をしたりします。
その時期を過ぎたらリハビリで、足首を動かす練習や、腓骨筋腱に力をいれるトレーニングをやっていきます。
アーチが高すぎて腓骨筋腱への負荷が大きい人には、インソールをいれたり靴の調整をします。

注射についてはステロイド注射・ブドウ糖注射・生理食塩水・ヒアルロン酸・多血小板血漿療法など幅広くありますが、エコーをみながら正確な場所にうつことが大事です。
例えばステロイドは腱の中に打つと腱が弱ってしまいますので、腱の周りの炎症が強い部分に打つ必要があります。生理食塩水やヒアルロン酸も腱の動きをよくすることが目的ですので、腱の周りに打ちます。
ブドウ糖や多血小板血漿療法では腱の再生や修復を目的としますので、腱の内部の傷んでいる箇所に打つ必要があります。
よってエコーガイド下で注射をすることは必須です。

手術に関しては、腓骨筋腱に沿って切開をおいた手術が以前は行われてきました。
現在では関節鏡(正確には腱鞘という部分にカメラをいれるので腱鞘鏡ですね)を使った手術によって、できるだけ小さな傷でやろうという試みがなされてきております。

最後まで読んでい頂いてありがとうございます。