脳振盪

今回は趣向を変えて脳振盪について説明したいと思います。

1.脳振盪とは?

脳振盪はアメリカンフットボールやラグビーなどのコンタクトスポーツで起こると言われています。

相手との接触で頭へ直接的な衝撃が加わった時もそうですが、頭以外の部分が激しくぶつかって頭が揺れたとき、いわゆる交通事故のむち打ちのような状態でも脳振盪になります。

男性よりも女性プレイヤーに起こりやすいと言われています。

症状については意識消失が有名ですが、その実際は10%程度だけであって、他にも多彩な症状を呈します。

例えば「健忘」という一時的に物事を忘れてしまう状態になることや、「見当識障害」といってどこでプレーしているのか、どの相手チームと試合しているのかなどがわからなくなることや、手足が伸びて突っ張ったような症状となることや、足のバランスがとれなくなりよろけてしまうような症状もあります。

それらは見た目でもわかりやすい脳振盪の徴候となります。ただ一見はっきりしないような症状もあり、ボーっとした表情になったり、いつもと違うポジションでプレーをするなどがあります。

さらには強い頭痛や吐き気を訴えることや、感情的になるといったことも脳振盪の症状です。

2.ゲームをやめさせるのはなぜ?

大事なのは脳振盪を疑った時点で、試合から退場させる勇気をもつことです。一旦プレーをやめてその日は試合に出さないことが必要になります。

退場させるときも、首に強い衝撃が加わっている可能性があるため、首を動かさないようにすることが大事です。

プレーを継続させることで、頭痛やめまいが続いたり、精神的に落ち込んで「うつ」になったりする「脳振盪後症候群」と呼ばれる状態のリスクが上がったり、脳振盪を繰り返すリスクも高くなります。

また試合中のパフォーマンスが落ちてしまうため、膝や足などの他の箇所のケガが起こりやすくなります。

よって脳振盪を疑った場合は勇気を持ってプレーをやめさせる必要があります。

3.受傷から復帰へのプロセス

①受傷後

ゲームから退場させた後に行うことは、1人にしないことが大事です。時間とともに症状が出現し突然意識が無くなることもあります。

上記したような症状があった場合は医師による診察を受けて、脳振盪よりさらに重篤な脳出血などを評価することが大事です。

②復帰

まずは安静期間をとります。体だけではなく、頭も休ませることが必要となります。

通常は7日~10日で回復しますが、その期間が過ぎればすぐに試合に復帰できるという意味ではありません。

段階的競技復帰プロトコールを使用し、それに沿って選手を復帰させることが大事です。具体的には、

①まず1~2週間の安静期間を設けて完全に脳振盪の症状がなくなることを待ちます。

症状消失後から②心拍数をあげるだけの軽いジョギングを行い

③良ければスピードを上げてランニングへ

④さらには接触のない動作を再開し

⑤最終的に接触プレーを含んだ練習へ復帰し(接触プレー再開の前に医師の診察が望ましい)

⑥試合復帰となります。

各段階は24時間以上あける必要があります。また頭痛やめまいなどの症状がでるならば前の段階へと戻って、症状が消失したら段階を上げていきます。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。