肩関節脱臼・亜脱臼

今回は肩についてお話します。

肩関節脱臼と亜脱臼とは?

脱臼:肩関節が完全に外れてしまうことです。肩を元の位置に戻すためには他者の力を必要とし、自分一人で脱臼した肩を整復することができないです。

亜脱臼:少し脱臼しても元の位置に自分一人で戻せるような状態を亜脱臼と言います。

脱臼、亜脱臼繰り返すと肩を支える軟部組織が緩くなったり、肩を形成している骨が徐々に削れてしまうため、肩が緩く(不安定に)なっていきます。次第にオーバーヘッドの動作が十分にできなくなります。

治療は?

脱臼してしまったら痛みをコントールしつつ整復(元に戻すこと)と患部の安静と固定が必要となります。

受傷直後に整復ができる有資格者がいればその場で処置してもらえばよいですが、もしいなければ救急病院を受診し整復と固定の処置を受けることが必要となります。

整復後は手術を行わない治療法(保存療法)が選択されることが多いです。

整復後に2~3週間肩を動かさないように患部の安静と固定を行い、2~3週すぎたらリハビリとして肩関節の機能訓練を開始し復帰を目指して行きます。

10代で脱臼すると脱臼を繰り返すリスクが高く、90%を超えるとの報告もあるため、初回でも年齢を考慮して保存加療ではなく手術に至ることもあります。

また脱臼を繰り返す場合は手術を検討します。手術療法における復帰までの期間は4~6ヶ月程度を必要とします。

リハビリは?

何度も脱臼してしまう様な”肩関節不安定症” へ移行を防ぐためには初回脱臼時のリハビリが大切です。

初回の受傷時にの患部の固定を2~3週間行うとある程度痛みが軽減します。その時点でバスケットボールへの復帰を考えてしまいがちです。

しかしながら、再脱臼の予防のためには肩甲骨周囲の筋肉のトレーニングや腱板のトレーニングを行ってから復帰する必要があります。

これらのトレーニングにより肩関節の安定化を図ってから復帰することが大切です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。