足の疲労骨折
今回は足におこる疲労骨折について説明します。
医学的には中足骨とよばれる「足の甲」が疲労骨折が起こりやすい場所と言われています。他に疲労骨折が多い場所は内くるぶしです。
3週間程度同じ部分の痛みが続いているときは疲労骨折を疑いますので、病院受診をお勧めします。
なぜ疲労骨折になってしまうのかというと、骨というのは「骨が吸収されて骨が作り直される(形成)」ことを常に繰り返すことで本来ある骨の形を維持しています。
それが高い強度の運動を過度に続けることにより、骨が吸収される量が形成される量より上回ってしまいます。
まず小さな骨折が起こってしまい、さらに放っておくとレントゲンでもはっきりわかるような骨折となります。
女性が男性よりリスクが高いと言われますが、ダイエットや月経によってホルモンバランスが崩れてしまって骨密度が低下し疲労骨折を起こしやすくするためです。
治療
運動量が多すぎることにより骨の吸収と骨の形成が追いつかないことが原因ですので、まずは痛い部分を安静にさせることで骨がしっかり形成するのを助けます。
治りやすい疲労骨折として挙げられるのが、足の甲(中足骨)の骨折で、だいたい4~8週間程度で治ります。
他に治りやすい疲労骨折の場所は、かかとの部分の骨折です。
逆に治りにくい骨折の場所には内くるぶしや、足の甲でも舟状骨と呼ばれる足首に近い骨や、小趾側の中足骨(第5中足骨)です。
第5中足骨の根元に起こる骨折はJones骨折と言われおり、舟状骨や内くるぶしの疲労骨折とともに治りがよくないため手術となる場合もあります。
手術をしない治療法として、以前から低周波超音波が使用されていますが、それが正しいかの結論は出ていません。
また、近年よく使用されるようになってきているのは体外衝撃波です。
疲労骨折の治療に効果があるという報告がでてきています。
リハビリ
患部に負荷をかけない期間は、コアや臀部の筋力トレーニングを積極的に行います。
それらが弱いと足の疲労骨折のリスクが高くなると言われています。
筋持久力を衰えさせないためには、水泳やエアロバイクで患部に負担をかけずに運動することがリハビリになります。
4週程度経過し疲労骨折が治ると徐々に復帰していくのですが、初めは芝など地面が柔らかい地面(サーフェス)で走ることから始めましょう。
いきなりコンクリートやアスファルトで走ることはやめてくださいね。
予防
中足骨や舟状骨の疲労骨折の患者さんにはインソールを使用します。
市販で入手できるインソールもありますが、可能ならカスタムメイドで作成したものを使用することをお勧めします。
さらにはコアや臀部の筋力トレーニングを行なって足への負担を減らすことが大事です。
またしっかり栄養を摂取することも大事です。
特に女性の選手は栄養が不足しないよう注意しましょう。
カルシウムやビタミンDを積極的に摂取して、もし足りないようであればサプリメントを摂取することで予防につながると思います。
最後にしっかり睡眠をとり休むことを忘れないでくださいね。これらが疲労骨折の予防に繋がります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。